この記事では、リンパ浮腫で弾性着衣や弾性包帯を購入した際の療養費とは何か、申請に必要な手続きや書類について、まとめています。
弾性着衣の療養費支給について
がんの術後でリンパ節郭清を行なった際に、発症することのあるリンパ浮腫。
むくみを抑えるため、弾性着衣や弾性包帯などでの圧迫が必要です。
平成20年以降、対象となる疾患の方に対して、加入している健康保険で療養費として、その費用の一部が支給されるようになりました。
対象になるのはどんな人?
鼠径部、骨盤部若しくは液窩部のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍の術後に発生する四肢のリンパ浮腫または原発性のリンパ浮腫。
支給対象となる製品は?
弾性着衣 | 着圧指示が30mmHg以上のもの (医師の特別な指示がある場合は、20mmHg以上の圧力でも可) |
弾性包帯 | 医師の判断により、弾性着衣は使用できない場合 |
支給回数は?
一回の購入につき、装着部位ごとに2着。
前回領収書発行日より、6ヶ月以上の間隔が必要。
指示書の日付ではなくて、領収書の日付です。
支給される金額は?
医療保険の自己負担額割合によって変わります。
以下の表の額を上限とし、実際に支払った金額の7〜9割が支給されます。
種類 | 上限額 |
パンティストッキング | 28,000円 |
ストッキング | 25,000円 |
スリーブ | 16,000円 |
グローブ | 15,000円 |
包帯セット(上肢用) | 7,000円 |
包帯セット(下肢用) | 14,000円 |
弾性着衣等、療養費の申請をする際に必要なものは?
- 療養費支給申請書
- 弾性着衣など、装着指示書
- 弾性着衣を購入した際の領収書
- 世帯主の口座番号がわかるもの
- 健康保険証
- 印鑑
(太線以外は健康保険証、印鑑は加入している保険によって必要でない場合もあり)
療養費支給申請書
社会保険か健康国民保険か、加入している公的医療保険によって、様式が異なります。
自分の加入している保険組合に問い合わせてみましょう。
弾性着衣等装着指示書
医師に記載してもらいます。
弾性着衣を購入したときの領収書
原本が必要です。
金額だけではなく、どのような商品をいくつ購入したのか、明細が記載されていることが必要です。
レシートだけを添付した場合、申請が受理されない場合があります。
給付金の振込先口座がわかるもの
療養費の支給先を記載するとき、必要になります。
世帯主の口座番号が確認できるものをご用意ください。
世帯主以外の口座に入金希望の場合は、委任状が必要です。
弾性着衣等、療養費の申請方法〜申請後の流れは?
どこに提出するの?
国民健康保険の場合:市町村役場の保険年金課
社会保険の場合:会社の総務課、もしくは保険者の事務所
必要なものを揃えて、提出しましょう。
提出書類はコピーして保管しておくと、次回の申請時にスムーズです。
どれくらいで支給されるの?
2〜6ヶ月の審査後、該当金額が口座に振り込まれます。
(期間は保険組合によって異なります。)
保険組合によって、受理される際の厳しさが異なります。
購入した製品や申請内容について、保険組合から確認の電話があることも。
申請期限はいつまで?
製品購入の翌日から2年です。
弾性着衣等、療養費の申請をするときのまとめ
手続きが面倒で申請していない、とおっしゃる方もいる療養費の申請。
なるべくそのハードルが下がるといいですね。
また、療養費の申請については保険組合によって、受理される際の厳しさが異なります。
何が原因で受理されなかったかにもよりますが、突き返されても不備を修正し、再度申請することで通る場合もあります。
スムーズに支給されますように!