リンパ浮腫とは?予防するために気をつけたいことは?

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リンパ浮腫とは?

リンパ浮腫は、リンパの流れが悪くなることで生じる、タンパク質の多く含まれたむくみです。
むくみが進行すると、歩くことや家事動作など、日常生活動作が不自由になり、生活の質が下がります。

リンパ浮腫の特徴

  • むくみは片側のみ、両側むくんだとしても左右差が大きい
  • 局所的にむくむことがある
  • むくみが強くなりやすい
  • 皮膚が硬くなり、炎症を起こしやすい
  • 炎症を起こしやすい

リンパ浮腫の原因は?

リンパ浮腫の原因としては、2種類に分けられます。
それぞれの原因についてご紹介していきますね。

一次性リンパ浮腫

リンパ管やリンパ節の先天的な発育不全により発症したものを、一次性リンパ浮腫と言います。

二次性リンパ浮腫

何らかの後天的な原因でリンパ管が障害され、むくみが生じたものを、二次性リンパ浮腫と言います。がん治療による原因が圧倒的に多いです。


乳がんや子宮がん、卵巣がんなどの場合、がんの転移を考慮してリンパ節郭清が行われます。
その結果、リンパの流れが停滞し、発症します。

乳がんでリンパ節郭清された方のうち、約10〜20%、婦人科疾患によるがんでリンパ節郭清された方のうち、約30〜35%にリンパ浮腫が発症すると言われています。
さらに抗がん剤治療、放射線治療を行なった場合、その発症率が高くなります。

リンパ浮腫を予防するには?

これをすれば絶対ならない、というわけではありません。
しかし、日常生活の中で、むくむキッカケを作らないようにすることで、発症を防ぐことができます。

  • うっ帯を引き起こさない
  • 使いすぎない
  • 炎症を引き起こさない

これらの3つの点に気をつけていきましょう。

うっ滞を引き起こさない

食い込みや締め付け、同じ姿勢をとり続けることで、血液やリンパの流れをせき止めないようにしましょう。

乳がん手術後の場合

きついブラジャーや指輪など、局所的に締め付けないようにします。
手術した側の腕に、買い物袋を引っ掛けるのも避けましょう。

子宮がん、卵巣がん、前立腺がんの手術後の場合

きついパンツで締め付けないようにします。腰に巻くコルセットも同様です。
また、立ちっぱなし、座りっぱなし姿勢は、血液が脚に溜まりやすくなります。時々歩いたり、足を上にあげて休むようにしましょう。

使いすぎない

腕や脚に大きく負担を避けることは、避けましょう。
激しいスポーツや、子どもを抱っこする、介護をする、引っ越しなどです。
肉体的な疲労に限らず、精神的な疲労も同様です。
体が疲れると、抵抗力が弱くなり、炎症を引き起こしやすくなります。

炎症を引き起こさない

保湿をし、皮膚のバリア機能が正常に働くようにします。
虫にさされたら掻き壊さずにかゆみ止めを塗る。土いじりはグローブをして行い、万が一傷がついてしまった場合は、しっかり洗い流して感染を予防します。
日焼けは予防し、日焼けした場合は冷却しましょう。
また、体の抵抗力を弱くしないこと。疲れやストレスは抵抗力を下げます。ストレスは上手に解消する方法を見つけ、十分な睡眠をとって体を休めましょう。

リンパ浮腫の方に実際に伺った、思い当たるキッカケ

実際リンパ浮腫を発症した方に、思い当たるキッカケを伺った時に出てきた理由をご紹介しますね。

上肢リンパ浮腫の場合

・引っ越しで重いものを持った
・子どもを抱っこした
・夏場に外でテニスをした
・介護と仕事で疲れていた
・離婚で精神的にストレスがあった

下肢リンパ浮腫の場合

・足首をひねった
・旅行で長時間移動をした
・引っ越しをした
・仕事が忙しかった
・親の介護をした
・お葬式があった

半数近い人は、手術後一年以内にリンパ浮腫を発症しています。一方、10年以上してからむくみ始めることもあります。

まとめ:知ることでリンパ浮腫を防げる場合もある

一番大切なのは、どのようなことがリンパ浮腫を引き起こすキッカケになるか、まずは知ることです。
そして、それを避けるよう、日常生活で習慣づけるようにしましょう。これだけでも、発症するリスクは下がります。
風邪予防のための手洗い、うがいと似た部分がありますよね。
リンパ浮腫は、手術後10年以上して発症する場合があります。頑張りすぎず、続けていきましょう。

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