これだけ違う!ケア方法による、むくみの変化

むくみを改善するために、有用なケアは、挙上、運動、リンパドレナージ、圧迫の4つ。
どれか一つだけ行なっても、効果はありますが不十分。

脚のむくみがあった女性にそれぞれのケアを行い、どう変化していったかを検証しました。

目次

初回のむくみ

89歳女性。
内科的な疾患は特になし。
栄養状態と腎臓の血液データが良くない状態でした。

過去に、両膝の人工膝関節置換術を行なっています。
今まで特にむくみはなかったとのこと。

脚全体がむくんでおり、皮膚が引き伸ばされテカテカしています。また、下腿部分の皮膚が割れています。
むくみは柔らかく、少し足を上げただけでも足部にシワができます。

周径値は以下の通り。

周径
44.043.0
膝下39.037.5
ふくらはぎ37.538.0
足首27.026.0
足部24.024.5
単位:cm

足を上げる + 足首の運動をした場合

この時点では、むくみに対するケアについて医師からの指示がなかったため、自力でむくみを戻す方法を実施。
体への負荷がかかりにくい対処法です。

むくみでテカテカしていた皮膚が緩み、シワができてきました。

周径値は以下の通り。

周径右(前回比)左(前回比)
43.0 (-1.0)41.0 (-2.0)
膝下38.0 (-1.0)37.0 (-0.5)
ふくらはぎ36.0 (-1.5)37.0 (-1.0)
足首26.5 (-0.5)26.0
足部24.024.5
単位:cm

足首より先は数値的に変化はありませんでしたが、膝周り、ふくらはぎはこれだけでも変化しています。

着圧ソックスで圧迫した場合

医師から指示が出たため、着圧ソックスでの圧迫を開始しました。
見た目でも細くなったと感じますが、足首周りはまだむくみが残っています。
足首周りのむくみは少し固め。

周径右(前回比)左(前回比)
44.0 (+1.0)41.0
膝下38.0 36.5 (-0.5)
ふくらはぎ35.0 (-1.0)35.0 (-2.0)
足首25.0 (-1.5)25.0 (-1.0)
足部23.0 (-1.0)23.5 (-1.0)
単位:cm

包帯での圧迫+リンパドレナージを行なった場合

足首周りのむくみをもう少し改善するため、弾性包帯での圧迫とリンパドレナージを実施。

周径
42.0 (-2.0)41.0
膝下38.036.0 (-0.5)
ふくらはぎ34.5 (-0.5)35.0
足首23.5 (-1.5)23.0 (-2.0)
足部22.0 (-1.0)21.5 (-2.0)
単位:cm

足首、足部の数値がグッと減少しました。

最終値

弾性包帯での圧迫は2回。
その後は、着圧ソックスとリンパドレナージで対応しました。

周径
41.5 (-0.5)39.5 (-1.5)
膝下37.0 (-2.0)35.5 (-0.5)
ふくらはぎ34.0 (-0.5)34.0 (-1.0)
足首24.0 (+0.5)22.5 (-0.5)
足部22.5 (+0.5)22.0 (+0.5)
単位:cm

足首・足部の数値の戻りはありますが、他の部位はさらに減少がみられます。

初回からの比較

初回と比較すると、このように変化しています。

周径
-2.5-2.0
膝下-2.0-2.0
ふくらはぎ-3.5-4.0
足首-3.0-3.5
足部-1.5-2.5
単位:cm

パッとみでわかるくらい全体的にむくみがスッキリし、年齢相応のシワが出ています。
着圧ソックスを履かない日もありますが、むくみが極端に悪化することはなく、いい状態をキープできています。

ケア方法によるむくみの変化、まとめ

むくみのケアとして圧迫は一つの方法。
しかし、足首周りのむくみは圧迫だけでは改善しにくいです。
圧迫方法を工夫する、もしくはリンパドレナージで徒手的に対応することが大切です。

また、一度むくみをしっかりケアしてしまえば、再びむくみにくくなります。

ケア方法を上手に選択していきましょう。

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この記事を書いた人

牧原 広実のアバター 牧原 広実 理学療法士

愛知県蒲郡市出身。
理学療法士21年目。
リンパ浮腫の患者さんとの出会いをきっかけに、むくみの勉強を始める。
むくみ専門クリニック、弾性着衣メーカーの勤務経験あり。むくみや慢性的な痛みのアプローチが得意。

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