がんの手術でリンパ節を郭清した。
どれくらいの割合で、リンパ浮腫が発症するのか?
気になりますよね。
その疑問について、記載しています。
リンパ浮腫の人は何人くらい?
WHOの記載では、世界で1億4000万〜2億5000万人とされています。
日本では、10〜15万人と推定されていますが、患者人口の正確な把握は難しいと言われています。
がんの術後に、リンパ浮腫を発症する割合は?
各サイトでは、以下のように記載されています。
乳がん手術時にリンパ節郭清をされた方のうち約10〜20”%に、また婦人科系疾患によるがん手術時にリンパ節郭清をされた方のうち約30〜35%に浮腫が発症するという報告があります。
加えて、放射線治療や化学療法を追加で行った場合は、その発症率が高くなることがわかってきています。
(亀田グループサイトHPより)
婦人科領域のリンパ節郭清後の28%〜47%、乳がん術後の約30%にリンパ浮腫が生じると言われています。
(大阪医科薬科大学 形成外科HPより)
乳がんではおよそ10人に1〜2人、子宮がんでは10人に3人程度の割合で発症すると言われる
(「がん治療」新時代WEBより)
骨盤リンパ郭清後にリンパ浮腫が発生する頻度は約17%。術後に放射線照射も追加すると、発症頻度が更に高くなる。
(がん研有明病院 婦人科がん手術後のリンパ浮腫についてより)
リンパ節を取った人がリンパ浮腫になる確率は「5〜25%」
腋窩のリンパ節を取ると、20%くらいの方がリンパ浮腫を発症しますが、センチネルリンパ節生検を行った場合は、リンパ浮腫発症率は5%くらい。
(がんサバイバー・クラブより)
以下のような研究もありました。
当院で乳がん手術を受けた患者について、続発性リンパ浮腫の発症率は7.1%であった。
リンパ節郭清範囲の広い方が、リンパ浮腫発症の割合が有意に高く、化学療法を行っている症例が行っていない症例より、リンパ浮腫発症の割合が有意に高かった。
(「乳癌術後続発性リンパ浮腫発症因子についての検討」より)
多くとも乳がん術後の30%、婦人科領域の術後の47%が、リンパ浮腫を発症する可能性があると考えられます。
治療において、発症率が高くなる要因は?
- リンパ節郭清範囲が広い
- 化学療法を行っている
- 放射線治療を行っている
まとめ
がん手術後に、どれくらいの確率でリンパ浮腫になる可能性があるのか。
記載元により、数字にばらつきはあるものの、多くとも乳がん術後の30%、婦人科領域の術後の47%が、リンパ浮腫を発症する可能性があると考えられます。
また、リンパ節を郭清する範囲、手術に加えて行った治療により、発症する確率は高くなります。
ただし、これはあくまでも確率です。
正しい知識を得ること、早期からのケア、体重管理などにより、リスクを少しでも減らしていきましょう。
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